6月27日 梅雨明け

梅雨はどこに行っちゃったんだろう。

しょうさんは、ギラギラの陽射しを受けて、空を見上げました。

今年は6月なのに晴天の日が続いています。

梅雨明け間近とニュースで言っていました。

 

6/27 PM1:00

カランコロン・・・

入ってきたのはBAR king のゆうくんです。

「こんにちは。

海の方に、ものすごい雲がもくもくわいてた。

雨がくるかもね。」

まだ降ってないのにゆうくんはびっしょり濡れています。

しょうさんは、あわててバスタオルを渡しました。

「ありがとう。

海の帰りなんだ。雨はまだ降ってないよ。」

ゆうくんは、笑っていいました。

外はさっきまでギラギラだったのに、暗くなって雨が降りそうです。

 

「おなかすいちゃった。何か作ってよ。」

「とりあえず、座って待ってて。」

遠くでゴロゴロと雷がなっています。

 

「実はさ、今朝、あやちゃんとけんかしちゃって。

むしゃくしゃして、家を飛び出したっきり戻ってないんだ。」

ゆうくんと、あやさんは一緒に暮らしています。

「原因は・・・きかない方がいいのかな。」

「それがさ、何が原因なのか、思い出せないんだ。」

 

「それはね、ハクサン様の仕業なのよ。」

ランチを食べていたPCショップのれいこさんが言いました。

「誰?それ。」

「新潟の白山神社の女の神様。

仲のいい恋人たちを見ると、やきもちやいて別れさせちゃうんだって。

うちらの村の神社にでも遊びに来てんじゃない?」

「女、こわ。」

 

「あやちゃんのこと、すごく好きだけど

時々、違うな-って思うことがあるんだ。

たとえばさ、俺は冷蔵庫に入ってるペットボトルの水

コップ使わないで飲んじゃうわけよ。

でも、それって、あやちゃん許せないみたいで

めちゃくちゃ怒るんだ。

そんなのが積み重なっちゃってるのかな。」

 

「ドラゲナイ」

「なに?それ」

「相手を許せる魔法の言葉だよ。」

不思議さんのれいこさんの言葉は、いつも意味深です。

「しょうさん、この曲かけていい?」

れいこさんは、スマホをいじってお店のステレオにとばしています。

 

外が暗くなって特大の雨粒の雨がいきなり降ってきました。

バケツの水をひっくり返したような大雨です。

 

曲が流れ始めました。

『今宵は百万年に一度

太陽が沈んで夜が訪れる日・・・』

雨と一緒に、稲光と稲妻

ものすごい天気です。

「うひゃ、すごいね。」

「ドラゴンが暴れているのね。」

 

三人がみとれて窓の外をながめていると、

次第に雨はやみ、また強い陽射しがもどってきました。

「すごかったね。」

「これで、梅雨明けかもね。」

 

*・☆゚・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*

  ・ タコス(タコスミートとトマトサルサワカモレ

  ・ ドラゴンフルーツのサラダ

  ・ 三日月オムレット(バナナクリーム)

*・☆゚・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*

 

「これ、あやさんの好物よ。

持って帰って、二人で食べて。」

「ありがとう。

今の稲妻でインスピレーションわいた。

『稲妻のカクテル』今度、お店に飲みに来てよ。」

「楽しみにしてる。」

 

照れくさそうに笑って、ゆうくんは帰っていきました。