1月10日 風邪鍋

1/10 PM4:00

お天気が良くても寒い日が続いています。

空気はカラカラ、喉がくっつきそうです。

日の暮れは相変わらず早くて、もうじき夕方になるのか

お日さまが少しオレンジ色になってきました。

「日が沈むと、急に寒くなるのよね。」

しょうさんは、そう言ってカーテンを閉めました。

 

カランコロン・・・

入ってきたのはバーキングのゆうくんです。

「こんにちはー。」

「いらっしゃい。今日も寒いね。」

「あのさ。かずさんが風邪ひいちゃったみたいでさ。」

「あらあら。熱は?」

「熱はないんだけど、食欲がないって、ここ何日もたいしたもの食べてないんだ。

もともとヒョロヒョロだったのが、このままだと骸骨みたくなっちゃいそうでさ。」

「困ったね。テイクアウトで何か作ろうか?」

「いや、今、俺んちにいるんだ。

ってゆうか、あやちゃんちなんだけど。」

「ふふふ、知ってるよ。あやさんのお店の2階で一緒に住んでるんだよね。

かずさん、連れておいでよ。

何か身体が温まるもの作るよ。」

「わかった。じゃあ、今から連れてくるよ。」

 

何がいいかな。

食欲なくても、なんとなく食べられるもの・・・

 

カランコロン・・・

「きょうさん、いいところに来た。

かずさん、風邪で食欲ないんだって。

なんか用意するんだけど、なにがいいかな。」

「うーん。風邪かあ。

消化がよくて、温まって・・・

ビタミンBとCとDがとれる食材で・・・」

「・・・・・・きょうさんたら、すごい」

 

カランコロン・・・

バーキングの4人が、毛布でぐるぐる巻きにされたかずさんを連れてきました。

「かずが、寒い寒いっていうからさ。」

「ぷぷぷ、みの虫みたいで、かわいい。

とにかく、ストーブの前に座って。」

「大丈夫?かずさん。」

「寒くてたまらないんだ。」

顔が白くなって、本当に寒そうです。

4人でストーブを囲んで座り込みました。

「まずは、ホットカルピス。風邪に効くのよ。」

しょうさんはサイドテーブルを出してホットカルピスを置きました。

「お、思ったよりいける。」

「うん、いける。」

 

「しょうさん、風邪鍋、作ろう。」

「風邪鍋?どんなの?」

「ごちゃまぜ鍋だけどね、とにかくあったまるんだ。

しいたけやしめじや、きのこをたくさん入れて。

きのこは免疫力高めるからね。

豚肉でビタミンB1、たっぷり野菜で食物繊維。

みんなで鍋を囲めばつられて食欲でないかなって。」

「それ、いいね。

じゃあ、私はビタミンCのデザート作るね。」

 

「お待たせしました。

鍋、ストーブにかけるから、みんなで食べよう。」

 

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風邪鍋

 豚薄切り きくらげ 油揚げ 白菜 春菊

 しいたけ しめじ えのき 長ネギ

 ※たれは、大根おろしとすり生姜にしょうゆをかけて

 ※〆は卵雑炊

しらすの海苔和え

フルーツヨーグルト

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「うわ、うまそう。」

「どう?かずさん、少し食べられそう?」

「いけるかも。食べたいっていう感じ出てきた。」

 

きょうさんとしょうさんも一緒に鍋を食べることにしました。

みの虫かずさんも、みの虫のかさを脱いでほおばっています。

「うまい。あったかくなってきた。」

「そいつは良かった。」

お腹がいっぱいになる頃には、かずさんはTシャツになっていました。

「ありがとう。なんだか調子出てきた。」

「かずさん、復活だね。」

 

「調子でたついでに、調子のっていい?」

「どうした?」

「やっぱり、俺たちバーテンダーだからさ・・・」

「そうだよね。」りーさんが嬉しそうに言います。

「きょうさん、ここにブランデーかラム、ある?」だいきさんが言います。

ラム酒なら、あるよ。」

「あと、はちみつ。」

「わかった!ホットトディだ。

俺、作ってくるよ。」ゆうくんがそう言って調理場に入っていきます。

「ホットトディ?どんな飲み物?」

作りながらゆうくんが答えます。

ラム酒45㎖ はちみつ15㎖ レモン汁15㎖

そして熱湯を1カップ

最高に身体があったまる風邪薬だよ。」

「最高!」