2月22日 龍力 

2/22 PM9:00

「実はさ、今日は折り入って相談があるんだ。」

「何だい。急にあらたまって。」

電気屋工務店オディオンのヤマダさんは、

きょうさんに呼び出されてお店に来ています。

 

「僕の家、天文台に登る坂道の下の方なんだけど

近くに湧き水が出るところがあるでしょ。」

「うんうん。あそこの水、おいしいよね。

僕も時々、汲みに行くよ。」

「そこのちょっと奥にね、新しく湧き水が出ているんだ。」

「ほお。」

「で、それが・・・温かいっていうか、熱くて

湯気がもくもく。」

「なんと。

それって、もしかして。」

「おそらく。」

「そうか。この村にもとうとう。」

「だから、ヤマダさんに相談してみたんだ。」

「任せとき。明日の朝、さっそく調べに行くよ。」

 

「露天風呂・・・」

「すばらしいね。」

二人とも、うっとりした顔になっています。

「お風呂は、やっぱり、岩だよね。」

「いいと思う。

ユーカリの群生している所だから、

なんか、こう、和風ではなくて

白い大理石みたいなイメージで・・・」

「おおお。いいではないか。」

「あと、バンブーの椅子とか。」

「イメージふくらむね。

おそろいのバンブーのテーブルとかも置いちゃったりして。

神社の竹、少しもらうか。」

「フォレストダイニングで、温泉用のテイクアウト

用意するよ。」

夢は広がる二人です。

 

「ヤマダさん。前祝いしましょうか。」

「いいね。」

「用意しておいたんですよ。」

・☆゚・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*

桶酒

豆皿8点盛

 ・アボガドクリームチーズおかか和え)

 ・大根ステーキ

 ・菜の花からし和え

 ・まぐろの柚子胡椒漬け

 ・バイ貝煮

 ・コンビーフリエット バケット添え

 ・かに入りだし巻き卵

 ・ピーナッツの塩バター炒め

・☆゚・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*:.。. .。.:*・☆・*

 

「きょうさん。桶酒なんて、

気が早いね。」

「なんだか楽しくなっちゃってね。つい、調子に乗っちゃった。」

「このお盆のいろいろ、おいしそう。」

「豆皿盛だから、ほんの一口ずつだけどね。」

「それでは。」

「杉の木村の温泉に。」

「がんばりましょう。」

「乾杯!」

 

「このお酒、ちょうどいい温かさで、香りもよくておいしいね。」

「ぬる燗で、最高においしい『タツリキ』っていうお酒なんだ。」

タツリキ?」

「龍の力って書いて『タツリキ』兵庫のお酒です。」

龍力かあ。神社の空光くんがいたら

めちゃくちゃ喜びそうだね。」

「とっておくよ。

神社の竹もお願いしたいから、

今度、三人で打ち合わせしよう。」

「明日から、忙しくなりそうだ。」