6月10日 時の記念日

6/9　AM10:00

梅雨らしい天気だな。

朝から本降りの雨を見ながら、しょうさんはつぶやきました。

カランコロン･･･

「すごい雨。

ちょっとしか歩いてないのに、けっこうぬれちゃった。」

入ってきたのは、フォーマルハウト山のふもとにある図書館の白樺さんです。

たぶん、本名ではないと思うのですか、図書館が白樺林の中に建っているので

そう呼ばれるようになったようです。

白樺さんは、いつもモノトーンの洋服に赤合い帽子をかぶっている

おしゃれな方です。

「いらっしゃい。雨の中をようこそ。」

しょうさんは、タオルを渡しました。

「ありがとう。今日はね、明日のランチの相談に来たの。

図書館のテラスで、お茶会を開くことになってね。」

「すてきですね。どんなお茶会なんですか？」

「展示室でアリスの本を紹介しているでしょ。

それを見に来たあやさんが、今度アリスのお茶会しませんかって

提案してくれて。二人で企画立ててたら楽しくなってきちゃってね。

けっこう集まるのよ。

それで、しょうさんにもお誘いと、料理のお願いに来たわけ。」

「楽しそう！私も参加したいです。」

「あら、嬉しい。明日は雨もやむみたいだし。

あやさんの歌もきけるのよ、楽しみにしててね。」

「メニューはどうしましょう。」

「しょうさんにお任せよ。

お昼ごろから始める軽食を考えてるの。

あやさんのお店の茶葉で、フルーツアイスティを用意するつもり。」

「了解です。11時頃にお届けすればいいかしら。」

「お願いします。

アリスの白うさぎって、時計持っていつも忙しそうじゃない。

明日のお茶会は、時間を気にせずにのんびりとすごしたいと思ってるの。

ちょうど、明日は『時の記念日』だから、

みんなの時間の使い方なんかを話せればなあなんて。」

「素敵な会になりそう。」

しょうさんは『不思議の国のアリス』の絵本をパラパラとめくりながら

明日のメニューを考え始めました。

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　　アフタヌーンティの3段皿〔上段〕

　　・　チョコバナナパウンドケーキ

　　・　さくらんぼのミニタルト

　　〔中段〕

　　・　スコーン

　　・　クロテットクリーム・こけもものジャム

　　〔下段〕

　　・　ライ麦パンのきゅうりサンドイッチ

　　・　プチベーグル（スモークサーモン・クリームチーズ）

　　・　ブラックオリーブ・ピクルス

　　ピンチョス大皿

　　・　ズッキーニのチーズ焼き

　　・　カマンベールの生ハム巻き

　　・　ハニーマスタードチキン

　　いちじくの赤ワイン煮

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楽しそうだなあ。

でも･･･アリスのお茶会って

わけがわからなくて、結局お茶が飲めないのよね。

まいっか。

明日天気になあれ。