2月15日 冬の星座

2/15 PM1:30

晴れていても北風が強くてとても寒い日です。

しょうさんは、朝から今年の味噌を仕込んでいました。

味噌の仕込みは重労働なので、毎年PCショップのれいこさんが手伝いに来てくれます。

「午後から行くよって言ってくれてたから、

そろそろ来てくれるかな。」

ふっくりと茹でた大豆をフードプロセッサーにかけながら

しょうさんがつぶやきます。

 

カランコロン・・・

「こんにちは。」

入ってきたのは、診療所のジン先生です。

「先生。いらっしゃい。」

「今日は患者さんが来なくてね。

みんな元気だってことは嬉しいことだ。

午前中はカヌーの修理をしていたんだよ。」

「カヌーの手入れって、ジン先生がやってくれていたのね。」

「うん。診療所の前にカヌー小屋があるからね。

僕も若い頃はカヌーレースに出てたし。」

「ご苦労様です。寒かったでしょう。

ランチですか?今、何か用意しますね。」

しょうさんは、味噌造りの手をとめて

食事の用意を始めました。

 

「今夜のポラリスのイベント、

しょうさんも行く?」

天文台ポラリスの『冬の星座を観る会』ですね。

もちろん、行きますよ。

もとおさんの熱い星たちのお話、いつもとても楽しいから。」

「ははは。確かに熱い語りだよね。」

「今日は晴れているから、星が見られそうですね。」

「そうだね。今夜は是非観たいものがあるんだ。

望遠鏡でね。M42を観てみたいんだ。」

「えむ42?」

「オリオン大星雲のことだよ。

鳥が羽を広げたような形らしいんだ。

ここでは新しい星が生み出されていて

『星のゆりかご』なんて呼ばれているんだよ。

新しい命が生まれるってなんか、ロマンを感じちゃってね。」

「素敵。私も今夜、望遠鏡で観てみたい。」

 

「お待たせしました。

どうぞ、温まってください。」

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ほうとう

 (かぼちゃ・里芋・いんげん・鶏肉・大根・長ネギ・きのこたくさん)

トリガイとうどの酢味噌和え

おこうこ(山ごぼう野沢菜・赤カブ)

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カランコロン・・・

「遅くなってごめーん。」

れいこさんがやって来ました。

「すごく、いい匂い。

もしかして私、グッドタイミングで来ちゃった?」

「すごい。鼻が効くね。

れいこさんの分もあるから、一緒に食べよ。」

 

「今、入るときに配達の荷物届いてたから受け取っておいたよ。」

「ありがとう。後で開けてみる。」

 

「今夜のポラリスのイベント。

冬の星座ってオリオン座を観るらしいよ。」

「すごい、グッドタイミング。

今、ジン先生と話していて、ちょうどオリオン座を観たいと思ってたところ。」

「もとおさん、新しい望遠鏡を買ったんだって。

きっと、いつも以上の熱弁だよ。」

「ふふ。楽しみ。」

 

「そういえば、さっきのお届け物。

開けてみようかな。」

「重かったよ。」

箱を開けてみるとワインが6本入っていました。

Orion sauvignon Blanc

「このラベル。すてき。」

「オリオン・・・」

「きょうさんたら、いつの間に頼んでたのかしら。」

「星を観る会の後に、飲む気まんまんだね。」

「じゃあ、今夜また後で集合だね。」