7月7日 七夕

7/7 AM11:50

カランコロン・・・

入ってきたのは、お菓子屋さんのさだはるさんです。

 

「こんにちは。今日も暑いね。」

「いらっしゃい、ほんとに暑いね。

ランチですか?今日は七夕メニューになっていますよ。」

「じゃあ、それをお願いします。

それと、これ。

今日の3時から販売するこんぺいとう。

去年とちょっと味を変えてみたから食べてみて。」

「うわあ。うれしい。

毎年、楽しみにしているんだ。

誰よりも先に食べられるなんて幸せだあ。」

「青はラムネ、赤はプラム、黄色はレモン

白はミルク、ここまでは去年と同じなんだけど

今年の黒はシナモンにしてみた。

短冊の五色だよ。」

しょうさんは、そうめんをゆでながらさっそくつまみ食いをしてみました。

「おいしい!このシナモンのすごい。一番好きかも。

毎年、思うんだけど、このこんぺいとう不思議なの。

固いと思って口に入れると、ふわっととけちゃう。

どうやって作るの?」

「ははは、企業秘密。」

 

カランコロン・・・

「こんにちは-。短冊のお届けです。」

大きな笹をかついで、神社の空光くんが入ってきました。

「おつかれさま。今年の笹は大きいね。」

「みんなの願い事、たくさん掛けられるようにね。

これから浜の広場に、この笹を立ててくるから、

短冊書いてつけにきて。」

 

さだはるさんは、黒い短冊を手に取って

なにやら思いふけっていました。

さだはるさんは、何年か前にふらっとこの村に来て

お菓子屋さんを始めました。

お店の名前はテュムマーンク。

カロンが絶品です。

でも、どこから来たのか、年齢はいくつなのか、謎の多い人です。

噂によると、遠距離恋愛をしているということですが、

ニュースソースは食料品店のあきこさんなので定かではありません。

 

「一年に一回しか会えないなんて・・・なんか切ないよね。」

さだはるさんは、ぼそっとつぶやきました。

「あのさ。見晴台の伝説って知ってる?」

「見晴台の屋根についている銀のお皿のこと?

お皿にたまった星の屑をふりかけると願いが叶うって。」

「そうそう。

あの星屑は魔法の粉なんだよ。

流星群がくると、いつも見に行くんだけど、溜まってないんだよ。」

「さだはるさん、意外とロマンチック。」

天文台のもとおさんなら、

それは隕石のかけらだって言いそうだけど、

でも、僕は、ちょっと信じてるんだ。

いや、願っているのかな。」

 

「おまたせしました。七夕そうめんです。」

 

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  小鉢よせ

  ・ 揚げなす(からし醤油)

  ・ きゅうりと油あげのごま酢和え

  ・ 笹だんご(ごまみそ入り)

  鶏ももの塩焼き にら醤油かけ

  七夕そうめん(プチトマト・おくら・ツナ)

  星のポンチ(寒天・すいか・バナナ)

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「ごちそうさま。

今日もおいしかったよ。」

「ありがとうございます。

短冊、書けましたか?」

「うん、書いた。これからつけに行ってくるよ。」

「何をお願いするの?」

「織姫と、彦星が

無事に会えますように・・・ってね。」

「さだはるさん、優しいね。

後で、こんぺいとう、買いに行くね。」

「待ってるよ。」